皆さん、こんにちは。
兵庫県神戸市を拠点に、兵庫県南部地域で総合建設業やリフォーム事業を手掛ける橋本建設株式会社です。
「このまま今の会社にいて、自分のキャリアは安泰だろうか」
「万が一のことがあったら、生活はどうなるんだろう」
そんな不安は、決して杞憂ではありません。今、建設業界では「倒産ラッシュ」とも言うべき深刻な事態が、すぐそこまで迫っています。これはもはや、一部の経営基盤が弱い企業だけの問題ではなく、業界全体を揺るがす構造的な課題なのです。
では、この厳しい時代の中で、私たち技術者はどうすれば自らのキャリアを守り、成長し続けることができるのでしょうか?
本記事では、なぜ建設業の倒産がこれほどまでに急増しているのか、そのリアルな実態と背景を徹底的に掘り下げて解説します。
■【衝撃の事実】建設業の倒産が過去10年で最悪のペースに

建設業界に、深刻な事態が訪れています。2025年上半期(1〜6月)の倒産件数は986件に達し、前年同期を上回るペースで推移しています。これは4年連続の増加であり、上半期としては過去10年間で最多の数字です。
このペースが続けば、年間の倒産件数は2,000件に達する可能性があるという専門家の指摘もあります。建設業界を取り巻く経営環境は、依然として厳しい状況といえるでしょう。
出典:帝国データバンク「「建設業」の倒産動向(2025年上半期)」
■なぜ今、倒産ラッシュなのか?建設業界を襲う「三重苦」の正体

なぜ、これほどまでに倒産が増えているのでしょうか。背景には、建設業界特有の「三重苦」ともいえる、以下の3つの要因が考えられます。
原因1:終わらない「資材価格の高騰」
ず、現場で働く皆さんなら最も実感しているであろう、資材価格の高騰です。 数年前に世界を揺るがした木材価格の上昇「ウッドショック」や、鋼材価格が跳ね上がった「アイアンショック」だけでなく、セメント、生コンクリート、住宅設備、電線に至るまで、ありとあらゆる建設資材の価格が、まるで天井知らずのように上昇を続けています。
多くの企業、特に中小企業は、この上昇したコストを請負価格に十分に転嫁することができません。結果として、売上高は昨年と同じか、むしろ増えているにもかかわらず、利益だけが大幅に減少する「増収減益」という深刻な事態に陥っています。懸命に現場を動かしても、手元にはほとんど利益が残らない。この状況が、企業の体力を蝕んでいます。
原因2:「人手不足」と「2024年問題」
次に、以前からの課題であった「人手不足」の深刻化です。 職人の高齢化や若者の入職者数減少という構造的な問題に加え、2024年4月から適用が開始された「時間外労働の上限規制(いわゆる2024年問題)」が、人手不足にさらに拍車をかけています。
「働き方改革」という理念は素晴らしいものですが、現実の建設現場では、限られた人員と時間の中で、これまで通りの品質と工期を維持することが極めて困難になっています。結果として、自社での施工能力が低下し、工期の延長や、割高な外注費の増加を招いています。一人の技術者が抱える負担は増す一方で、会社の経営的な余裕は失われていくという、負のスパイラルに陥っているのです。
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原因3:利益を圧迫する「人件費の上昇」
人手不足は、必然的に「人件費の上昇」を引き起こします。 優秀な職人や施工管理技士を確保するためには、当然ながら他社よりも魅力的な賃金を提示する必要があります。業界全体で人材の奪い合いが激化しており、人件費は右肩上がりに上昇しています。
これは、技術者の価値が正当に評価される良い側面もあります。しかし、企業経営の視点から見れば、資材高騰と並んで利益を直接的に圧迫する大きな要因です。そもそも、適正な利益を確保できていない企業には、賃上げを行う経営体力そのものがありません。結果として、賃上げができずに人材が流出し、さらに経営が苦しくなるという悪循環に陥ってしまうのです。
■特に危険なのはどんな会社か?倒産する企業が示すサイン

この「三重苦」の波は、すべての企業に平等に襲いかかるわけではありません。特に、その影響をまともに受け、倒産へと追い込まれてしまう企業には、いくつかの共通したサインがあります。
特徴1:価格交渉できず、利益が薄い
帝国データバンクの調査によれば、倒産した企業の約9割が、従業員10人未満の小規模事業者であったことが分かっています。
その最大の理由は、価格交渉力の弱さにあると考えられます。 元請けなど、より規模の大きな企業に対して立場が弱いため、資材高騰や人件費上昇といったコストアップ分を請負価格に転嫁できず、その影響を直接的に受けてしまうのです。
特に、元請けである総合工事業よりも、下請けの立場となることが多い職別工事業(とび・土工、内装など)や設備工事業で倒産が増加している傾向は、この構造を明確に示しています。もし所属する企業が、恒常的に厳しい価格競争にさらされ、低利益率の案件を中心に受注している場合、注意が必要な状況と言えるでしょう。
特徴2:資金繰りに余裕がない
建設業では、帳簿上は利益が出ているにもかかわらず倒産してしまう「黒字倒産」も少なくありません。これは、損益計算書上では利益が出ていても、手元の現金(キャッシュ)が不足し、仕入先や従業員への支払いが滞ることで経営破綻に至る状況を指します。
なぜ建設業で黒字倒産が多いのか。その主な要因は、「先に資材費や人件費などの支払いが発生する」、「工事完了・引渡し後に工事代金が入金される」という建設業特有の商慣習があります。この「支払い先行」の資金繰りが、現在のコスト高騰下で企業の経営を著しく不安定にしています。
例えば、工期の延長が発生すれば、売上の入金はさらに遅延します。その間にも、資材費や経費の支払期日は到来します。こうして手元資金が枯渇し、黒字でありながら倒産に至るのです。
そして、この資金繰りの悪化は、給与遅延や未払いといった事態に直結する、極めて重要なリスクです。
■施工管理技士として長く働くために!安定企業を見極めるチェックポイント

このような厳しい時代だからこそ、施工管理技士として長く安心して働くためには、自らのキャリアを守り、成長させるための「正しい選択」をすることです。
倒産ラッシュが続く中でも、確かな技術力と経営戦略で、着実に成長を続けている企業は確実に存在します。そうした企業を見極めるための、4つのチェックポイントをご紹介します。
① 共感できる「企業理念」が浸透しているか?
自分が心から共感できる理念を持つ企業で働くことは、仕事へのやりがいや誇りにつながり、技術者としての成長を力強く後押ししてくれます。
目先の利益だけでなく、「社会にどう貢献するのか」という明確な理念を持つ企業は、困難な状況でも進むべき方向を見失わず、社員が一丸となれる強さを持っています。まずは企業のホームページで、社長自身の言葉で想いが語られているかを確認しましょう。さらに面接で、社員が自分の言葉で理念について語れるとしたら、その理念が本当に組織の隅々まで浸透している証拠です。
② 社員への投資を惜しまないか?
次に重要なのが、企業が生み出した利益を「社員にどれだけ還元し、投資しているか」という視点です。 利益をただ内部に留保するのではなく、社員の成長と労働環境の改善のために再投資する企業は、持続的な成長が期待できます。施工管理アプリやドローンといったDXを推進し、現場の負担を本気で軽減しようとしているか。資格取得支援や研修制度など、社員の成長を後押しする具体的な制度があるかどうかも、必ずチェックしましょう。人材への投資は、企業の成長意欲の表れです。
③ 働き方改革に本気で取り組んでいるか?
従業員の働きやすさを第一に考え、本気で働き方改革に取り組んでいるかも重要な見極めポイントです。年間休日日数や平均残業時間、有給取得率といった具体的なデータをきちんと公表しているか、しっかりと確認しましょう。数字を公開できるということは、それだけクリーンな労働環境であることの証拠です。
④ 明確な事業戦略(ビジョン)を持っているか?
企業理念という「想い」に基づいた、会社の将来像が描けているか。事業計画に、明確な目標や戦略が盛り込まれているかを確認しましょう。特に、リノベーションや環境配慮型工事のように、時代のニーズに合わせた新しい分野へ果敢に挑戦している企業は、変化に対応できる力があり、将来性が期待できます。
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■まとめ

本記事では、建設業における倒産急増の現状とその背景、そして技術者の皆様がご自身のキャリアを守るために選ぶべき企業の見極め方について解説いたしました。
建設業界では倒産のニュースが後を絶ちませんが、一方で、将来を見据えて着実に対策を講じている優良企業も数多く存在します。給与や休日といった表面的な条件だけで勤務先を選ぶ時代は終わり、これからの不透明な時代を乗り越えるためには、企業の「本質的な強さ」を見抜く視点が不可欠です。
もし、現在の職場環境に何らかの不安を感じていらっしゃるのであれば、それはご自身のキャリアを真剣に見つめ直し、より良い未来を築くための重要な機会と捉えることができます。
この記事が、皆様にとって最適な企業選びの一助となれば幸いです。
■橋本建設では、リフォームの建築施工管理技士や設計プランナーを募集しています!

橋本建設は、神戸市で公共工事から民間の建築、住宅リフォームまで幅広く手掛ける総合建設会社(ゼネコン)です。創業60年の安定した経営基盤を誇り、神戸市からは2年連続で優良工事表彰を受賞するなど、その高い技術力にも信頼をいただいています。
当社が何よりも大切にしているのは、社員一人ひとりが安心して長く働ける環境づくりです。その実現のため、2026年から年間休日を120日に設定し、完全週休二日制を徹底しています。神戸に根ざした地域密着企業のため転勤もなく、腰を据えてキャリアを築きながら、プライベートの時間も大切にできるのが魅力です。有給休暇は時間単位での取得も可能で、個々の事情に合わせた柔軟な働き方をサポートします。
また、私たちは未来を担う人材の育成にも全力で取り組んでいます。未経験からスタートした先輩や、第一線で活躍する女性の施工管理スタッフも在籍しており、あなたの新しい挑戦を会社全体でバックアップする体制が整っています。20代・30代の若手社員も多いため職場は活気に溢れ、新人の方でもすぐに馴染める風通しの良い雰囲気です。もちろん、資格取得支援制度や資格手当といった福利厚生も充実させ、あなたの成長したいという意欲にしっかりと応えます。
さらに、働き方改革に向けたDXの推進や、快適なトイレ・更衣室を備えた本社ビルのリニューアルなど、社員が最高のパフォーマンスを発揮できる環境への投資も惜しみません。
あなたも橋本建設で、新しいキャリアをスタートしませんか? 少しでも興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
Instagramもやっていますのでぜひご覧ください。
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